原状回復工事の具体例~通常損耗と故意過失の違い 床編~
2017年10月28日5:12 PM カテゴリー:オーナー様へ,不動産情報,入居者様へ,記事,賃貸管理
少し前に原状回復工事で壁クロスの費用負担(賃借人または賃貸人の負担)の目安をお伝えしました☆
今回は床の傷や汚れなどについて、どういった場合に賃借人または賃貸人の負担になるかをご紹介したいと思いますm(_ _)m
①床(フローリング・クッションフロア)の黒ずみ
少し見えにくいのですが、こちらはフローリングの黒ずみです。フローリングの色がまだらに見えるのがお分かりになりますでしょうか(写真の真ん中あたりです)?
これは、足の裏の汚れと床のワックスがはがれ、それが黒ずみの原因と考えられています。
すぐにふけば落ちる汚れですが(あまりふきすぎると、ワックス自体がはがれてしまうので気を付けてください)、そのまま汚れを放置してしまった結果が上の写真です。ここまで汚れがひどい場合には、賃借人にワックス剥離と洗浄の費用をご負担いただくようになります。
ただし、長年住んでいる中でワックスが徐々にはがれてきてしまったような場合には、自然損耗として扱いますので、こちらのワックスの剥離洗浄・ワックスがけの費用は賃貸人の負担となります。※ちなみに、クイックルワイパーなどで床を掃除していると、ワックスがはがれてしまい(アルコールの成分が含まれているため)、余計に汚れがつくことがあるので注意が必要です!
②マットの設置跡の汚れや色移り
上記左の写真はおそらくトイレマットを設置されていたと思われますが、その設置跡がクッションフロアに汚れとして残ってしまっているケースです。
また散見されるのが上記右の写真のように、床に敷いてあったマットやカーペット・ラグなどの染料が床に色移りしてしまっているケースです(床に黄色く色移りしてしまっています)。これはずっと敷いたままにしていると、起こりやすくなります。
ここまで汚れがついていたり色移りがある場合には、クッションフロアの貼替や色移りした箇所を補修してする必要があります。上記2枚とも、クッションフロアの貼替やフローリングの補修費用は賃借人の負担となりました。
③床の傷:入居中についてしまった床の傷は故意過失と問わず、賃借人負担となることが多いです。以下の4枚の写真はすべて同じ賃借人が入居中につけられた傷となり、すべて賃借人が補修費用を負担するようになりました。
まずこちらは、おそらく何か固いものを床に落としたか何かの結果、フローリングが凹んで傷になってしまっているケースです。
少し物を落としただけで、ついてしまう可能性があるので、注意が必要です。
家具を引きずったりすると上記写真のような傷が床につくことがあります。
フローリング(木材)の表面が削られてしまっている状態です。
引っ越しの際などの家具運搬などには注意が必要ですね☆
上の写真は、たばこの焦げ跡です…タバコを床に落としたか何かをして、焦げ跡がついたと思われます。
この場合、焦げた跡を削って補修するなどの工事が必要となります。
④最後は冷蔵庫置き場の床です。
こちらはフローリングの表面が割れて、変色しているのがお分かりいただけると思います。
ここは冷蔵庫置き場の床なんですが、冷蔵庫から水漏れが起き、その水が徐々にフローリングに染み込み、腐食して変色してしまったものです。
この場合は過失として、この部分のフローリング貼替費用を賃借人にご負担いただきました。
以上が弊社の原状回復工事でたまに見られる床の状況一覧です。床の傷はいつの間にかついていた!!ということも多いので、入居中は注意が必要ですね?
ちなみに、国土交通省の原状回復工事ガイドラインでは、フローリング(クッションフロアは除く)は長期間の使用に耐えられるものとして扱われ、経年劣化(時間が経つにつれて価値が下がる)は考慮されず、入居中に賃借人が発生させた傷などは賃借人が補修費用を負担するのが妥当とされています☆
床の補修工事は傷の程度や範囲によっては費用が高くなるケースもありますので、くれぐれもご入居の際はご注意くださいm(_ _)m