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民法改正③ 連帯保証人制度の変更

前回は「民法改正② 賃借物一部使用不能時」について書きましたが、

今回は民法改正で最も重要な変更点連帯保証人に関する変更部分についてご紹介します。

極度額設定が義務付

民法改正後は、個人の連帯保証人をつける場合、極度額(連帯保証人への請求限度額)が記載されていないと連帯保証の効力は無効になります。

現在は限度額の設定が不要で記載が無くても大丈夫な分、必ず賃貸借契約書の見直しが必要です😐

 

「個人の連帯保証人」と書きましたが、保証人が法人の場合は適用外です。

限度額はどれぐらいか?

限度額としてどの程度の上限を設定するかについては、契約当事者の判断にゆだねられています。

先日私が受けた研修では、家賃の12ヶ月~15ヶ月分程度が目安と思われる言っていました。

 

この目安の理由としては、

賃料滞納から明け渡しのケースで、連帯保証人に請求する必要があるのは未納賃料と強制執行費(残置物処分含む)、原状回復工事費です。

裁判所の判例の分析結果では、連帯保証人が負担を命じられた額は平均約13.2ヶ月分。実際はこれに原状回復費や強制執行費、判決後明渡までの滞納額を加えて敷金を差し引いた額が連帯保証人に請求しなければいけない額になります☹

 

限度額を大きくすると賃貸人は安心ですが、連帯保証人は辞退する可能性が高くなります。

 

管理会社も民法改正後は特に、家賃滞納が始まったら速やかに対応していく必要がありますね😐

保証人からの問い合わせに対する回答義務

限度額以外でもう一点、民法改正で義務化されるのが☝連帯保証人からの問い合わせに対する回答義務です。

現行民法では、連帯保証人から賃貸人に問い合わせがあった場合に関する規定はありません。

 

しかし、改正民法では、連帯保証人から賃借人による家賃の支払状況について問い合わせを受けたときは遅滞なく回答することが義務づけられます。

もし、問い合わせに回答していないと、家賃滞納を連帯保証人に滞納家賃などを請求しなければいけないときに、連帯保証人から回答義務違反を指摘されて、請求に支障がでることも考えられます。

 

弊社では連帯保証人様本人であると確認できれば今でもこのような問い合わせもお答えしていますが注意は必要です。

 

以上、重要なところを中心に民法改正について書きましたが、国土交通省では平成30年3月版として民法改正にあわせて極度額欄などを設けた「賃貸住宅標準契約書」を掲載しています。

新旧対照表も載っているので参考になります😊

 

民法改正では賃貸借契約書の見直しも大事ですが、改正についての情報共有と対応の仕方も見直していく必要がありますね😐

今後も勉強会やセミナーに参加して知識を高め、対応していきます。